1974年。ボーイング747がヒースロー空港に降ります。

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Photo by Kojiro

写真は1974年2月にアンカレッジ〜ヒースロー空港に向かう主翼から写したもの。右はヒースロー空港に降りようと主翼の内側フラップが思い切り広がったところでハイウェイのインターチェンジを撮ったもの。今や本当はデジタル機器を用いた撮影は禁じられている筈。空港に近づいた時点で禁止となっていた筈。1969年2月に初飛行してから、その後多くの改良を重ねながら現在(2016年7月時点)も生産が続けられているロングセラーの航空機=ボーイング747エアバスA380が初飛行するまでは最大の民間航空機であった。「ジャンボジェット(Jumbo Jet)」の愛称で呼ばれていた。この愛称は、19世紀後半にロンドン動物園やバーナム・アンド・ベイリー・サーカスで活躍した有名なアフリカ象、ジャンボの名前に由来するらしい。当初ボーイング社では「鈍重なイメージがあるこの愛称は最新鋭機にふさわしくない」としてこの愛称を認めず、「スーパーエアバス」としていたらしい。しかし「ジャンボジェット」が一般に受け入れられていることや、1970年代に「エアバス・インダストリー」社がヨーロッパにおいて航空機製造を開始したこともあり、当初愛称に対して否定的だったボーイング社も公式の場で用いることが多くなったそうだ。この大型機は、旅客機として設計されながら、当時の物流の主流であったコンテナを横2列で積めるような胴体直径とし、それらを前方から積み下ろしすることを考慮して、あえて機首部分を2層構造とし、操縦席および乗員収用部をアッパーデッキにおくという特異な形状の機体となったとされている。これは超音速旅客機の就役の際には貨物機に改修することを見越し、米空軍の次期戦略輸送機計画時の原設計をあえてそのまま残したものだったそうだ。ただ、当時の航空需要から考えるとこの機体サイズはあまりにも大きく、ボーイング社内にも懐疑的な雰囲気はあった。パンアメリカン航空が20機を発注したことが発表されると、同社との競争上の脅威にさらされることになる同国のノースウエスト航空、トランス・ワールド航空や、日本航空、英国海外航空など各国の航空会社からの発注が相次いだ。そして此の写真で見られる主翼の端の部分を見て下さい。最新の747は垂直近く主翼の先が曲がっているのです。当時の此の写真に見られる747は水平のままの主翼となっているのも今や貴重である。面白い話としては、クルマでよくある数字の事。当初はエンジンがカタログスペック上の性能を出せておらず、最高速度や航続距離に不足が生じてたらしい。これは運用上深刻な問題だったそうで、機体の重量を軽減してエンジン出力の不足をカバーする措置がとられ、設計の再検討を余儀なくされたのだそうだ。その後、水噴射システムを装備することにより離陸重量の引き上げを行うなどエンジンは強化されたものの、軽量化で生じた脆弱性は、ノーズギア付近の補強をはじめ、様々な改修という形で改良がなされた。アメリカや日本、アラブ首長国連邦など世界各国の政府首脳専用機に採用され、NASAスペースシャトル輸送機(よく007の映画等で見られる)等にも転用されている。なお、2014年1月までの航空会社1社による合計発注機数は、日本航空の113機が最多だそうだ。2014年6月28日に製造機数通算1,500機目の747がルフトハンザドイツ航空へ引き渡された(ボーイング747-8、機体番号:D-ABYP)。また747シリーズの引き渡し数通算1,500機目が日本貨物航空に引き渡された(ボーイング747-8F、機体番号:JA17KZ)。4発のエンジンを持った此のボーイング747が消えて行くのだと思うと時代の流れを感じてしまう。       コウジロウの独り言