雪降るパリのノートルダム。

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                                                                                                                   photo  by kojiro

1974年2月。アンカレッジで10時間過ごした関係でローマが一日無くなり、ロンドン経由で最終目的地のパリ。初めての渡欧だった。そんな貴重なパリの自由時間。大雪の中、オプショナルツアーを頼まず二人で歩いて出かけた。今や知る人ぞ知るファッションデザイナーのM氏との二人だった。ルーブルに行く途中、ノートルダム寺院セーヌ川を挟んで撮影したややななめうしろの風景。こんな体験を出来るなんて今思えば幸せこの上ない。今でも夢にでてくるワン・シーン。でも現実も忘れてはいなかった。当時喫茶店にパネル化して飾って貰ったりもしたワン・カット。そんなワン・カットでも苦労はしていたのだった。TVやMOVIEでは雪降る街の人々の足下まではなかなか映さない。ストーリーとしては関係ないからなのか?自分達は大変な犠牲を払っていた。革靴がグチョグチョなのだ。上半身も2月の雪だからなのかビショビショでパリの雪はとても重たくひどく苦痛だった記憶がある。二人ともコートは着ていたので最悪な姿は免れた。ノートルダムの敷地は、ローマ時代にはユピテル神(古代ローマ最高神)域であったが、ローマ崩壊後、キリスト教徒はこの地にバシリカを建設した。とある。関係あるかは定かではないがミラノのドーモにも似たところがある。1163年、司教モーリス・ド・シュリーによって、現在にみられる建築物が着工され、1225年に完成したそうだ。ファサードは1250年に至るまで工事が続けられ、ヴォールトを支えるフライング・バットレスは12世紀に現様式に取り替えられたとされている。最終的に竣工されたのは1345年。全長127.50m、身廊の高さは32.50m、幅は12.50mと、それまでにない壮大なスケールの大聖堂が完成したのだった。1789年に始まったフランス革命により他の教会同様にノートルダム大聖堂も襲撃を受け、大聖堂を飾っていた歴代の王の彫像が破壊されて埋められた。この彫像群は1977年に工事の際偶然発見され、現在では近くにあるクリュニー中世美術館に展示されているとのこと。戦争で他宗教だからといって弾圧の意味で破壊することは許せないのだが。装飾する彫刻、屋根の塔、その他多くの部分は、19世紀のゴシック・リヴァイヴァル期にウジェーヌ・エマニュエル・ヴィオレ・ル・デュクによって大幅に改装されたものである。1831年ヴィクトル・ユーゴーの小説『ノートルダム・ド・パリ』(「ノートルダムのせむし男」)の舞台になった。下方から、大アーケード、トリビューン(階上廊)、高窓の3層構造となっている。水平的分割線が見られず、分断されることなく上昇する小円柱群が目立ち、垂直線が強調されている。 初期ゴシック建築では、4層式(大アーケード、トリビューン、トリフォリウム、高窓)が一般的であった。そのため、ノートルダム大聖堂も創建当初は4層構成にされており、トリビューンと高窓の間にもう一つの層があった。しかし、ノートルダム大聖堂の場合、左右の側廊が二重で五廊式バシリカ形式であるため、中央身廊部に十分な光が入ってこなかった。そのため13世紀初め、外光をより取り入れるために、高窓部分を拡張し、3層構成に改造されたのだそうだ。とにもかくにも横に延びた恐竜の骨のような骨格が何とも言えない美しい姿なのだから、現在までの施行が素晴らしかったのだと言えましょう。実際に、大聖堂内には9000人をも収容でき、トリビューンには1500人もの人々が昇れるようになっているようだ。1804年5月28日に帝政を宣言したナポレオン・ボナパルト戴冠式は1804年12月2日にノートルダム大聖堂で行われたのは有名。1885年に心理学者ジークムント・フロイトが留学に来た際に観光で立ち寄り、美しさに感動してここの塔に2度上り、後の妻となる女性に聖堂の写真を土産にしたとも言われた。最近では2015年11月15日にパリ同時多発テロ事件の追悼ミサが開かれ、大聖堂前の広場にも大勢のパリ市民が集まったことも記憶に新しい事実である。パリからの距離を表すときの 起点はノートルダム大聖堂の前が起点となっているそうだ。防寒着を身に纏い、最新のSUV車でまたノ−トルダムを訪ねたい。                                                                                                                                          コウジロウの独り言