落書きはEF15でも許されない。

f:id:kohyusya:20161127191426j:plainEF15で有る。これは渋谷近くの国鉄の路線を走っていた当時のPhoto。落書きはされているものの何故か精悍である。1973年に当時の国鉄国労動労が順法闘争を争議戦術として経営側に対抗していた。その意思表示がこのEF15の落書きである。発車しない。ダイヤの乱れを起こすなど、乗客達に多大な迷惑をかけた。そして乗客達の暴動まで起こったらしい。この頃学生だった自分は私鉄の利用が多かった為か?(ブルジョアでない私でしたが交通費を減らす為に)マイカーで通学してたからか?我関せずだった。当時の闘争者達からすればおしかりを受けるからかもしれないが、ここで見てもらいたいのはこの落書きである。殆どクロに近い茶褐色ボディのEF15に白い文字。貨物専用機関車だったEF15でも我々乗客のホームの横を通った。この威圧感こそ迷惑なのである。自分たちの愛車を汚すのはともかく威圧感を与える事は許されなかったはず。暴動はこういった威圧感や遅れ、運行停止まで影響は及んだとされている。輸送需要に対応するために設計された貨物用機関車EF15は1947年から1958年までに202両が日立製作所川崎重工業三菱重工業(中日本重工業・新三菱重工業)東京芝浦電気汽車製造日本車輌製造で製造された。旅客用のEF58形とは台車や電気機器など主要部品が共通化されており、共に事実上の標準型として大量に製作されたらしい。そんな由緒ある機関車に落書き。でも自分達の商売道具に書き入れる気持はどんなものだったのでしょうか?先頭車両の文字はデザイン的に素晴らしかったが2両目のそれは見れるものではなかった。タイポグラフィとしての書体は東大闘争などの学生運動の方が上手かった気がします。今やある芸能人の家の門の横にひどい落書きをする人がいたなんて情報を聞くと本当に頭に来ます。自分のものに自分の思想を描くならまだしも同じ迷惑の掛け方だったら、体制にもの申す方がよっぽどましである。T氏の世田谷ベースは男のみんなの憧れの場所である。そこを汚すとはとんでもない事。直ぐに謝罪し美しく清掃でもして公的にも個人的にも制裁を受けてもらいたい。一枚の写真からまだまだ1970年代を語って行きたいが、こんな事件が起きてしまうと写真の見方や出し方まで変わってしまう。残念である。今回は本当にコウジロウの独り言でした。