40年前のオールズモビル・トロネードは幅2mの斬新なFF車だった。

1974年2月。卒業旅行でヨーロッパツアーに参加してた自分。シトエンBX同様これはかっこいいと思い、シャッターをきった大きなクルマ。オランダかイタリアのどちらか?解る人がいたら教えてほしい。オールズモビル・トロネード(Oldsmobile Toronado)。

f:id:kohyusya:20161109192659j:plainGMのオールズモビルで製造された2ドアクーペであるのが最近解った。このクルマにはライトがみあたらない。凄さはデザインだけではなかったようだ。"(Toronado)"には特別な意味は無く、1963年シボレーコンセプトカーのために考え出された名前だったそうだ。フォード・サンダーバードビュイック・リヴィエラと競合するオールズモビルフルサイズスペシャリティカーとして企画されたトロネード。アメリカ合衆国で大規模に量産された最初の前輪駆動(FWD)車つまりFFとして歴史的に記憶されている。トロネードはリヴィエラとエルドラドとはその28年間の歴史でEボディ・プラットフォームを共有し続けたが、ビュイックリヴィエラは1979年モデルまで前輪駆動に転換しなかったらしい。FRが好きだと自負していた自分の所有してたクルマがスカイライン以降W-124以外はすべてFFというのも面白い。それにしても2m近い幅のクルマで前輪駆動とは驚いたものだ。デザインはデビット・ノースとされているが、GMのデザイン部門の長ビル・ミッチェルなども開発に携わっていたらしい。大容量のターボ=ハイドラマチック・オートマチックトランスミッションや4バルブキャブレター。Aピラー下の三角窓をドラフト=フリー換気システムにより廃した事により風切り音を激減させていたのには驚かされる。動力機構もコンパクトに変速機を一体化してエンジンルームに小さくまとめる技術屋さんがかなり頑張っていた一台。2ドアなのに後席からの乗り降りが楽なドアノブをオプションで付けられたり、3人並んでもフラットな床が確保されていたらしい。ビルトインされた機能と相まってこのクルマが度デカいにも関わらずこの時代でありながら、繊細な設計がされていたのには頭が上がらない。単にクルマの外装は格好だけではなく本当に卓越した設計デザインから生まれていた事の事実を改めて感じた。当時のアメ車は凄かった!      

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