あのシトロエンBXは何処へ

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僕がパリ・シャンゼルゼ通りで見たシトロエンBXは日本では見たことのないエアロパーツを付けた銀色のスポーツバージョンだった。パリの石畳にとてつもなくシルバーメタリックの輝きをきらびやかに、とても格好いいスタイルだった。自分が乗っていたのは2年間。首都高速事故に巻き込まれ大破していなっかったら、もう少し乗ってたはず。その頃は全く知らなかった。BXのデザイナーが、イタリアのカロッツェリアベルトーネに在籍していたマルチェロ・ガンディーニだったこと。ランボルギーニカウンタックランチアストラトスを代表とするスーパースポーツカーのスタイリングデザインを手がけている。いずれも直線と曲線を巧みにデザインし、見る人に独特のイマジネーションを感じさせ仕上げるカーデザインの魔術師。カウンタックではとてつもない未来感とスピーディさを、ストラトスでは異次元のスピード感をスタイリングで醸し出させてくれる。シトロエンBXは近未来感の都市の乗り物としてわれわれに表現してくれていた。但し、このBXがボルボへのプレゼンダミーで落とされたモデルと知ったら貴方だったらどう思いますか?やがて自分はW124を経由してボルボ850のユーザーにもなるのですが!少なくともボルボ970クーペなどにもデザインの流れがベルトーネ時代のガンディーニ自身の木の枝程度かもしれませんが繋がってるいるのは事実のようです。何といっても、そのクルマ達のスタイリングが特徴的です。シトロエンは、古くは1950年代の「DS」からはじまって、「Ami」「CX」など、宇宙船のようなクルマを作ってきましたが、そういった流れを変えさせていたのが感じさせるガンディーニデザイン。シトエンBXは直線を基調としたファストバックスタイル、大きなウインドウ、グリルのないツルッとした鉄仮面ノーズ、フェンダーに半分隠れたリアタイヤなど、いま見ても斬新なスタイリング。その中でGTIの上を行く最高峰のBX16Vに乗っていた自分。フランスのソファを連想させるシート。左ハンドルのマニュアルシフト。スコーンスコーンと入るそのギヤノイズに小気味好さを感じていたのも記憶に新しい。ちょっと振り向いたその時、あのシトロエンBXは町中からは消えて今はいません。あの頃のBMW320やベンツ190E、オースチン・ミニやワーゲンは未だに走ってます。BXはいったい何処に行ってしまったのでしょう?あのミライ的なファミリーカー・シトロエンBXが見られなくなってさみしい限りです。   コウジロウの独り言